[ おうちで茶活! ]
急須でお茶を淹れる。その一連の動作に込められた、文化や人を想う心。一服のお茶には、日本人に脈々と受け継つがれてきた、豊かな暮らしと心が込められています。
宇治田原製茶場では、急須で淹れた本物のお茶「急須茶」と、急須のある生活「急須茶生活」の素晴らしさを、次世代へ伝えるためにさまざまな活動や情報をご紹介しています。
ここでは、お客さまへの「おもてなし」についてお伝えしたいと思います。おもてなしを通して、ぜひ、急須茶の魅力をお客さまにも味わっていただきましょう。
お茶を淹れ慣れた方でも、お客さまへお茶を出すときには、
迷うこともありますよね。ルールとコツを知って、
おいしい急須茶でお客さまをもてなしましょう!
- 特に気をつけたいのは、「水」と「温度」です。
- お客さまに出すときは、水と湯の温度に注意してください。水道水を一度、沸騰させてカルキ臭を飛ばした水を使うこと、また淹れる茶葉に適した湯の温度を事前に確認してください。普段淹れ慣れているお茶と違うお客さま用の玉露の場合は、低い温度のお湯が適温です。
- お茶がおいしそうに見えて、季節感があるものを。
- 基本は、お茶の水色が美しく見えるものが良いでしょう。湯呑の内側が白色なら、お茶の色が映えます。その季節にふさわしい柄や色が入っているものもおもてなしの心が伝わり素敵です。また、お茶の種類によって湯呑のサイズや厚みを変えてもいいですね。
- 湯呑の7割ぐらいの量が、きれいに見え、運びやすいです。
- 湯呑に注ぐお茶の量は、多すぎても少なすぎても、お客さまが飲みにくく、見た目もよくありません。ちょうど7割くらいを目安に淹れると、バランスよく、美しく見えます。また、見た目の美しさだけでなく、お茶を運ぶときにもこぼれない適した量といえます。
- 「右・右・右」と覚えておくとスマートに出せます。
- 右手で湯呑をのせた茶托を持ち、お客さまの右側に立って、お客さまから見て右側に置きましょう。こうすると出すときの所作も美しく無駄がありませんし、お客さまにとってもお茶を手に取って飲みやすい場所です。
- 湯呑にお茶を淹れた後がいいですね。
- 湯呑にお茶を注いだ後、湯呑を茶托にのせてください。くれぐれも先に湯呑を茶托にのせてから、お茶を注がないでください。湯呑を茶托へのせるときは、布巾などで湯呑の底を一度拭いて、茶托がぬれないようにしましょう。
- 木製の茶托の場合は、木目に注意してください。
- 茶托にもデザインによって正面があるので、必ず正面をお客さまへ向けて出すようにしましょう。木製の場合は、木目がお客さまに対して横になるように出してください。縦に置くと木目がお客さまへ「刺さる」ような印象を与えるので気をつけてください。
- お茶菓子やおしぼりを出してもいいですね。
- おしぼりを出す場合は、お茶よりも先に、お客さまから見て右側に縦向きに置きます。お菓子はお茶と一緒に、お客さまから見て左側に置きましょう。おしぼりは、夏なら冷やして、冬なら温めたものを用意して。
- 常に温かい新しいお茶に。
- 出したお茶をお客さまが最後まで飲まれたら、二煎目のお茶を淹れますが、全部飲んでいなくても、お茶が冷めていたら、新しいお茶を淹れて差し上げましょう。いったん湯呑を下げて、できれば新しい湯呑で出しましょう。
今回、ご紹介したこと以外にも、急須茶でのおもてなしのポイントは、いろいろありますが、決して堅苦しいことではなく、基本はお客さまへの「心くばり」。「こうすると喜んでもらえるかな?」とお客さまを想う気持ちが、素敵なおもてなしにつながります。
- 美しくいただくためのポイントがあるんですよ。
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- 左手を軽く添え、右手で蓋のつまみを持ちます。
- 蓋を垂直に開け、蓋の裏についた雫を湯呑の中に落とします。
- 左手を添えながら蓋を裏返し、茶托の右下に少し差し込むように置きます。なお、飲み終えた後に蓋を戻しますが、雫が落ちないように湯呑の上で蓋を返しましょう。
- くろもじで左側から一口分切っていただきます。
- 練り切りやまんじゅうなどの和菓子が出されたときは、くろもじが添えられています。くろもじでお菓子の左側から一口大に切って、刺していただきます。
- 温かいお茶は、温かいうちに、冷たいお茶は、冷たいうちに。
- 出されたお茶は、温かいお茶なら冷めないうちに、冷たいお茶ならぬるくならないうちにいただきたいですね。出してくださった方の心くばりをいただくように、一番良い状態のときに飲みましょう。
お茶と一緒に出たお菓子ですが、食べられないときもありますよね。そんなときは、懐紙(かいし)に包んで持ち帰っても大丈夫です。せっかく用意してくださったものなので、遠慮せずにいただいた方が、もてなす側も喜ばれます。